メガソーラーとえば、環境に優しいクリーンエネルギーというイメージを持たれてる方が多いと思います。
確かにメガソーラー事業ではソーラーパネルで太陽光エネルギーを利用した太陽光発電を行うため石油などを燃やすわけではないのでクリーンなエネルギーには違いありません。
しかし、 最終的に出来上がるエネルギーはクリーンだったとしてもその過程として、森林伐採などの環境破壊が行われていると大きな問題でになっています。
その事例として先日発生した熱海市での土砂崩れが大いに注目されています。
土砂崩れは土石流を伴った大規模なものだったのですが、流された土砂は人工的に作られた盛土だったということで森林伐採がさらに注目を浴びているわけです。
メガソーラ事業が環境破壊?クリーンエネルギーじゃなかった?
冒頭でもお伝えした通りメガソーラー事業自体はソーラーパネルで得られた太陽光エネルギーを電力として利用するためクリーンエネルギーに違いはありません。
しかし、メガソーラー事業を成り立たせるために行われる過程が大きな問題となっているわけです。
最終的な成果物がクリーンであったとしても、その過程に森林伐採などの環境破壊や大雨などによって土砂崩れが発生するような危険性を排除しなければならないのです。
太陽光発電はクリーンエネルギーだけど開発過程が問題
太陽光発電エネルギー事業として行うためには、大きな土地が必要になります。
その理由は、ひとつのソーラーパネルから得られるエネルギーは限られているため、多くのソーラーパネルを設置する必要があるためです。
そのためには太陽光エネルギーを得られる場所でかつ広い土地が必要になってきます。
広い土地といっても民家が建っているような場所にはそのような土地は余っていません。
そこで考えたされるのが「山」ということでしょう。
森林伐採を行ってその土地にソーラーパネルを設置するということが多く行われているようです。
ただ森林伐採を行うことは、斜面に建っている木を伐採するということになります。
平地と違って斜面では安定感が欠けることになります。
木が生えているときは、多くの木々が太い根を地面に張り巡らせていますので簡単には土砂崩れは発生しません。
しかし、今日伐採することによって安定感をもたらしていた木の根がなくなってしまうことを意味しています。
今から20年前のような環境であれば問題なかったのかもしれません。
しかし、現在では異常気象が世界中で発生しており日本でも線状降水帯が多発したり、大雨が続いたりと異常気象が続いています。
その結果、山で土砂崩れが発生するという事例が多くなっています。
今は、雨の影響によると土砂崩れの話をしましたが、大規模地震の場合も同じことです。
最終的に作り出されるエネルギーがいくらクリーンであったとしても、その過程で環境破壊を起こしていれば本末転倒だと言えるのではないでしょうか?
メガソーラー事業の問題点
メガソーラー事業は大規模な事業になるため1時業者だけで決定できるものではありません。
行政や国が間に入っていることが多くなります。
今回の熱海で発生した土砂崩れについても熱海市だけでなく静岡県や神奈川県も絡んでいるような報道がされています。
計画がきちっと詰められる前に業者手動で森林伐採が行われることが少なくないようです。
業者主導で住民無視の森林伐採
本来、森林伐採を行うとしても業者主導で進めることはできないはずです。
行政だけでなく住民の理解を得ることも必要だからです。
しかし、現実としては業者手動で森林伐採が行われている自衛を見つけました。
赤穂市の例
兵庫県赤穂市では2021年1月からパシフィコ・エナジー赤穂メガソーラー発電所が稼働開始しました。
デルタ電子、赤穂市に4.6MWのメガソーラー稼働 https://t.co/16mbY8qg0k pic.twitter.com/MJscmUwtRH
— CarGuyTimes (@sakaueto) January 24, 2016
赤穂市ではメガソーラー事業の計画が許可された後に本来であれば住民説明会が開催されるはずなのですが、開発業者が住民説明会を開催しないまま森林伐採をスタートさせて大きな問題になっています。
「抑制区域」でメガソーラー許可 塩屋の風致地区で民間業者が進めるメガソーラー建設計画について、赤穂市は風致条例に基づく許可をこのほど交付した。
https://t.co/7bb3Xu4e4t— 赤穂市情報bot (@AkoCityBot) January 13, 2017
《御崎メガソーラー問題》許可得ずに土地造成/赤穂民報https://t.co/2JDRfWrPIE
施工業者の「フジタ道路大阪支店」(大阪市北区)と、許可申請手続きを担当している「京電」(京都市西京区)に電話取材を求めたが、いずれも「担当者が不在」で回答を得られなかった…— 鈎 裕之 (@ELECTRICDADDY) June 25, 2016
2015年頃から森林伐採が行われたということですが、大きな問題になったため2018年には一旦作業が中止されています。
この時も住民と工事業者の間で大きなトラブルとなり、熱海市と同様に業者は別の業者に変わっています。
兵庫/赤穂民報《御崎メガソーラー》工事完了で運用開始https://t.co/yq5yZP7xzx
事業者による無許可の切り土が判明したほか、開発面積が県総合治水条例の適用対象となる「1ヘクタール以上」を超えると県が判断…計画は中断…不動産業者は計画から撤退…— 鈎 裕之 (@ELECTRICDADDY) June 20, 2019
住民が反対していたのには理由があります。
この場所は大雨が降ることによって水はけが悪いため水が溢れ道路が水であふれるということが度々発生していた場所で土砂崩れを起こすことがあったそうです。
どちらにしても、勝手に業者が作業を進めていたというのは大きな問題なのではないでしょうか。
開発計画がボツになったとしても森林伐採は行われた後です。
既成事実を作った後ではどうしようもありません。
土砂崩れの可能性などリスク管理の問題
森林伐採と大きな関係があるのが土砂崩れの可能性です。
この問題は今回の熱海市で発生した土砂崩れだけの問題ではありません。
大雨が降るたびに土砂崩れの危険性は日本中どこでも高まります。
そして、伐採された木がもたらす大きな役割がその度にクローズアップされます。
使われていない森林を有効活用するにしても、危険性を排除しないまま 森林伐採を行い結果として土砂崩れの発生リスクを高めるのは大きな問題と言えると思います。
まとめ
熱海市で発生した大規模土砂崩れの影響でメガソーラー事業が注目されています。
メガソーラー事業と一緒に注目されるのが森林伐採です。
メガソーラー事業自体はクリーンエネルギーを創出するための授業であったとしても、森林伐採により自然破壊が進み、土砂崩れの発生リスクを高めるなどあってはならないことです。
クリーンエネルギーを創出するためだといっても、その過程でもクリーンでなければならないと思います。