大湫神明神社の大スギ(神木)倒壊原因は大雨以外にもあった!

岐阜県瑞浪市に大湫神明神社があり、この神社には神木と呼ばれる大スギがあります。

樹齢は1000年以上と言われる大スギですが、2020年7月11日倒木したことがわかりました。

 

 

連日の大雨で地盤が緩んだことが原因のひとつだと言われていますが、もっと根本的な問題があるようですのでお伝えします。

 

【岐阜県被害】飛騨川氾濫で下呂市国道41号崩落、高山市滝町は土砂崩れ

 

大湫神明神社の大スギ

 

 

大湫神明神社の大スギに関しての基本情報をまとめると次のようになります。

 

名称 大湫神明社の大杉(おおくてしんめいしゃのおおすぎ)
所在地 岐阜県瑞浪市大湫町
樹齢 1200~1300年
高さ/周囲 約40m/約11m

 

大湫神明神社の大スギは岐阜県瑞浪市大湫町にある大スギで、岐阜県の指定天然記念物となっています。

 

この大スギの根本からは水が湧き出しており「神明の清水」「新明の泉」と呼ばれています。

 

また、水が湧き出るということで伝説となっていることがあります。

 

それは、大湫宿(宿場)として使われた過去があり、江戸時代から貴重な飲料水が出る場所として使われてきたとのことです。

 

こんな歴史がある大スギが倒木したのです。

大湫神明神社の大スギが倒木した原因

 

 

大湫神明神社の大スギが倒木したのは「2020年7月11日22時30分頃」とのことです。

 

先週、岐阜県では大雨が続いており、下呂市や高山市を中心に大きな被害が発生しており、11日も大湫神明神社の大スギがある瑞浪市周辺では強い雨が振り続けていたとのことです。

 

大雨が降り続いたことで大スギの周りの地盤が緩んだことが原因の一つと言われています。

 

しかし、もっと根本的な原因があるとのこと。

 

というのも、今回倒木した大スギは斜面に立っているわけではありませんし、樹齢1000年以上で高さが40mもあるということは、この木を支える根が地面の広範に張り巡らせていることが想像できます。

 

根とはいっても、すごく太く硬い丈夫な根であるため、そう簡単には切れることはありません。

 

木の重さの30%ほどの重さは根っこ部分と言われているのです。

 

しかし、大湫神明神社の大スギだけでなく、直近10年ほどは風水害が発生することで大湫神明神社の大スギのような巨木が倒れる事例が増えているとのことです。

 

その原因として考えられるのが『根が浅い』ということです。

 

 

上記の画像を見る限り、根は浅いですし、細いですね。

 

木の根っこには大きく次の2つの役割があると言われています。

 

【根っこの役割】

 

  1. 水と栄養分を吸い上げる役割
  2. 木の根を支える役割

 

根は土の中の水と栄養分を吸い上げ、木全体に届ける役割をもっていますので、根がこの役割を果たせなくなると木は枯れることになります。

 

また、根は一方向に伸びるのではなく、下と横に伸びていき、成長するに連れて根は絡み合い広がっていきます

 

ただ、実際は根の8割から9割は地面から30cmほどの浅いところにはえているのです。

 

なぜかというと、根は水分を吸い上げるには『酸素』が必要だからです。

 

土の中では、水に酸素が溶けますが、地面深いところでは酸素が少なくなるからです。

 

ここが重要です。

 

最近の豪雨のように長時間大量の雨が振り続けることで、土の中の水分量が増えることになります。

 

しかし、土の中に水は多くなったとしても酸素が不足するのです。

 

この状態が続くことで根が腐ることに繋がります。

 

大湫神明神社の大スギについても「根が浅い」状態にあったということですので、根が腐っていたのかもしれませんね。

 

瑞浪市では大スギの根周りの土を入れ替えていたとのことですが、思ったほどの効果は出ていなかったようで「いつか倒れると思っていた」という状態だったとのことです。

 

まとめ

 

大湫神明神社の大スギが倒木原因が「大雨以外にもあった」ということで、「根が浅くなっている」ことが原因の一つであることをお伝えしました。

 

根の周りが水につかた状態がつづくと根腐りがはじまるからです。

 

最近10年間で樹齢の長い大木が倒木する減少が多発しているのは、長雨が続き、根の周りに水分がたまりすぎることが原因のひとつだと考えられているとのことです。