原裕美子 窃盗症と摂食障害・疑似万引きの関係を語る!執行猶予判決に込められた意味!

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昨日(2018年12月3日)、女子マラソン元日本代表の原裕美子さんの執行猶予中の万引きに対する判決が出ました。

 

執行猶予期間中の万引きということで実刑判決が予想されていましたが、結果は『懲役1年保護観察付きの執行猶予4年』が言い渡されました。

通常、 執行猶予期間中の犯罪では実刑判決が下る事が多いのですが、 原裕美子さんの判決が執行猶予付きになったのは裁判官の思いが込められた判決でした。

 

そして、判決を受けた原裕美子さんが 昨日記者会見を開き、なぜ万引きを繰り返すことになったのかを含めて赤裸々にご自身のことを語り、さらに、判決の翌日にはテレビ番組に生出演しました。

 

原さん本人としては、批判を受けることも覚悟の上でのテレビ出演だったようです。

 

自らがテレビに出演して自身の体験を公開することで、自分と同じような症状の人の役に立ちたいとの思いが大きかったとのことです。

 

記者会見とテレビ出演において、我々が思っていた以上に原さんは、困難な状況にあったことがわかりました。

 

万引きを繰り返したということで原さんが行ったことは決して許されることではありません。

 

しかし、アスリート、それもトップアスリートの中には原さんと同じような苦しみを持っている方が多いと感じましたので、気づいたところをまとめましたのでご紹介したいと思います。

窃盗症とは?

 

記者会見とテレビ番組出演で原さんから聞き慣れない言葉が登場しました。

それが『窃盗症』です。

 

窃盗症とは、盗みを行うことで生じる興奮状態で抱えている不安を取り除く疾患で、具体的な行動として万引きを繰り返すなどが挙げられます。

 

原さんはお医者さんに『病的窃盗』(摂食障害)と診断されているそうで、原さん自身も「こんな病気があるのか」と思ったそうです。

 

窃盗症の特徴

原さんは窃盗症によって、『自分自身で悪いと思っていても自分をコントロールできなかったため、万引きをしてしまった』と語っています。

 

そして衝撃的だったのは、 万引きを行ったのは1回や2回ではなく数え切れないほど行ったということです。

2回目の逮捕された時には、万引きをしたら逮捕されることが分かっていながら、『楽になりたい』 という思いから万引き行ったと語っていました。

どういうことかというと、『万引きは自分の気持ちでは抑えることができない』と言っていることと同じだと感じました。

 

脳が関係

 

そして、窃盗症の症状について番組のコメンテーターとして出演していたお医者さんは、『脳が関係している』とも言っていました。

 

脳の病気と聞いて頭をよぎったのが『薬物』です。

 

薬物の代表でもある覚醒剤は、たった一度の使用で脳がその快感を覚えてしまい、 自分の意思ではコントロール出来なくなるというのを思い出しました。

 

悪いと思っていても行ってしまうのは、このためですね。
ただ、 窃盗症という病の存在が明らかになったことで対応の仕方が明らかになったとも言えると思います。

 

では、原さんはなぜ窃盗症になったのかその経緯を確認してみましょう。

 

原裕美子さんが窃盗症になった経緯

 

窃盗症には何らかの原因があります。

 

原さんが窃盗症になったきっかけは『摂食障害』です。

 

原さんによると、実業団の選手として活動していた当時、 体重管理がかなり厳しかったということです。

 

1日に何度も体重測定が行われ、体重によって食事量を制限されていたようです。

 

そして、自分で食べたいものを食べられないだけでなく、購入できないように財布まで管理されていたようです。

 

しかし、この制限が摂食障害を引き起こし、ついには窃盗症につながったということです。

 

原さんは体重管理が厳しく食べたいものが食べられない状態、でも体重管理が必要でない選手は自分の好きなものが食べられる。

 

そのような状態を日常的に見ることによって強いストレスを抱えるようになるとともに、『食べることに対する執念』が強くなります。

 

そして、そのストレス解消のために万引きという行為を繰り返すようになったとのことです。

 

窃盗症は脳が関係しているとお伝えしました。

 

脳が関係しているのであれば、治らないらないのかというとそうではないようです。

 

具体的に原さんが取り組んで効果があった方法についてお伝えします。

 

疑似万引き体験による窃盗症改善効果

 

原さんが窃盗症を改善するためにおこなった対策で効果が上がったものを語っていました。

 

それが『擬似万引き体験』です。

 

どのような体験かと言うと、病院内で商品を並べた疑似店舗を用意し、患者がバックを持ってそのぎじ店舗に入り、 欲しいものをバックに入れて店を出るという体験です。

 

この時、何度も万引きを繰り返すのは『万引きが成功する』からです。

万引きが成功するという成功体験が窃盗症に大きく関係しているようです。

 

そこで、 看護師さんが監察官のように患者が疑似店舗から商品を盗む様子を見ておき、患者が店舗を出る寸前に呼び止め『万引きを失敗させるという体験』をさせるのです。

 

この万引きを失敗させるという行為は、『商品を盗んでも自分のものにならない』ということを患者の脳に覚えさせるために有効だということです。

 

何度も万引きが失敗するうちに、『万引きしても意味がない』と思うようになり、万引きすることがなくなり窃盗症が改善するという流れです。

 

執行猶予付き判決に見る裁判官の思い

 

今回の原裕美子さんに対する判決は執行猶予付き判決となりました。

 

執行猶予中の再犯で実刑判決が予想されていましたが、結果は執行猶予付き判決となりました。

 

この判決は、原さんが患っている窃盗症は刑務所に入ったからと言って良くならない。

 

そして、自分で購入できるものを盗んでいる(数百円の商品など)。

 

これは、商品が欲しいというよりも「盗むという行動で得られる興奮状態」が得たいという衝動であり、窃盗症が治れば再犯しないという考えが働いたように感じます。

 

また、原さんの体験を世に伝えることで、同じ症状で苦しんでいる方の役にたって欲しいという思いが感じられました。

 

おわりに

 

アスリートの中には摂食障害で苦しい思いをした選手がたくさんいます。

 

摂食障害を乗り越えて再起したアスリートもいれば、摂食障害で選手生命を絶たれた選手も数多くいます。

 

最近では、 女子フィギュアスケートロシア代表選手のオリンピック金メダリストが摂食障害でフィギュアスケート引退したという報道がありました。

 

体操や新体操など過度な体重制限が設けられているスポーツの指導者は、過度な体重制限が摂食障害に繋がり、さらには窃盗症に繋がるんだということも理解した上で指導することが必要なんだと今回の原さんを見て感じました。

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