佐藤義亮さんをご存知でしょうか?
佐藤義亮さんは新潮社の創業者なのですが、今では新潮社には出版物にはいろいろな担当部門があります。
今、佐藤義亮さんの理念に沿って行動している新潮社出版部文芸の行動が注目を集めていますのでご紹介します。
新潮社創業者佐藤義亮さんの理念
佐藤義亮さんの理念を新潮社出版部文芸がツイートしてくれていますので御覧ください。
良心に背く出版は、殺されてもせぬ事(佐藤義亮)
— 新潮社出版部文芸 (@Shincho_Bungei) 2018年9月19日
この言葉は本当に理念というものですね。
決して長い言葉ではありませんが、新潮社としての行動指針が見事に表現されています。
佐藤義亮さんは、新潮社を創立するにあたって、「自らの気持ちに反する書物を世に出すことは死んでもするな!」と語っておられます。
これ、経営理念そのものですね。
ビジネスの現場では時に理不尽な要求があったりします。
中には脅し文句や豪華な見返りの代わりに自分達に都合の良い記事を書くように迫られることもあるでしょう。
しかし、佐藤義亮さんはこれらの要求に決して屈しないということを従業員に示しています。
従業員は佐藤義亮さんの理念に沿って日々の仕事を遂行することを求められます。
そんな佐藤義亮さんの理念に沿って行動しているのが先程のツイートをご紹介した『新潮社出版部文芸』さんです。
なんと、新潮社出版部文芸さんは身内である「新潮45」に対する批判コメントに対してリツイートしたのです。
【新潮45批判 新潮社アカがRT】https://t.co/0QiXOmm4DO
自民党の杉田水脈議員の寄稿を掲載した「新潮45」が批判への反論を掲載した10月号を発売したことを巡り、「新潮社出版部文芸」の公式Twitterが批判の意見を、多数リツイート。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) 2018年9月19日
それも、ひとつではなく、多数のリツイート。
「新潮45」に対する批判コメントに対してのリツイートなので、身内を批判したことになります。
通常、このような身内批判は許されません。
しかし、これこそ新潮創業者である佐藤義亮さんの理念に沿った行動なのです。
新潮社出版部文芸さんは「新潮45」に対する批判コメントに同調しているのです。
では、ここで「新潮45」に対する批判コメントのもととなった内容を御覧ください。
- 自民党の杉田水脈議員による「同性カップルは生産性がない」とLGBT批判記事を掲載
- 小川榮太郎氏による「痴漢症候群及び触る権利を社会保障すべき」という記事を掲載
【疑問相次ぐ】新潮45、「LGBTはふざけた概念」との主張を掲載https://t.co/P37UyiiG5w
小川榮太郎氏は「性にはXXの雌かXYの雄しかない」と主張。「痴漢症候群の触る権利を社会は保障すべき」と記している。 pic.twitter.com/hZiYUxIkp4
— ライブドアニュース (@livedoornews) 2018年9月19日
例の「新潮45」がどれだけひどいのか確かめるために読み始めましたが、目眩がするので途中でやめました。ろくに調べもしていない自称物書きどもがヘイト混じりの憶測を並び立てただけのゴミカスです。たとえ批判のためであってもLGBT当事者は読まないほうがいいです。#0925新潮45編集部包囲 pic.twitter.com/PDp1BFIMs6
— ゆーすけ (@yoox5135) 2018年9月19日
『新潮45』、小川榮太郎氏の寄稿の一部。慄然とする。
「満員電車に乗った時に女の匂いを嗅いだら手が自動的に動いてしまう、そういう痴漢症候群の男の困苦こそ極めて根深ろう。再犯を重ねるのはそれが制御不可能な脳由来の症状だという事を意味する。彼らの触る権利を社会は保障すべきでないのか」 pic.twitter.com/rJqmyYRvop— 武田砂鉄 (@takedasatetsu) 2018年9月18日
このツイートには9月19日14時30分現在7911件のリツートと4501件のいいねが付いています。
普通に考えてたら当然ですね。
筆者もこのツイートを見た時は驚きました。
記事の内容だけでなく、このような記事を「新潮45」に掲載する出版社の姿勢に疑問を感じていたからです。
そこに、新潮社出版部文芸さんの行動。
なんだか救われた気がしました。
たとえ、親会社が同じでも納得できない場合は同調するのではなく批判することも出来る。
まさしく、新潮創業者佐藤義亮さんの理念に沿った行動ですね。
それにしても新潮公式アカウントが「新潮45」に対する批判コメントにリツイートする行動には拍手です。
この行動に対して「中の人頑張って!」というコメントが多数寄せられていますね。
新潮45の読者さんの意見
話題の「新潮45」の「杉田水脈論文擁護特集」をじっくり読んだ。読むんじゃなかった……。小川論文とか、これ、「公衆便所の落書き」じゃん。こんなの読ませるなよ、読んでる方が恥ずかしくなるから! あと、事実でおかしいところが散見されたのだが、最強の新潮校閲部のチェック入ってないの? 謎だ。
— 高橋源一郎 (@takagengen) 2018年9月19日
「新潮45」の特集に胸蓋がれる思いでいたら、同誌への批判的意見を、同じ新潮社の文芸アカウントが次々にリツイートしているのを知った。一度全削除されてもまた復活した。
組織の中で闘う困難を、↓固定ツイートのこの信念が上回ったということか。
どうか頑張って。皆、出版人の良心を信じたいんだ。 https://t.co/1rZiX3ELpK— 村山由佳(時々もみじ) (@yukamurayama710) 2018年9月19日
「新潮45」で小川榮太郎氏「満員電車に乗った時に女の匂いを嗅いだら手が自動的に動いてしまう、そういう痴漢症候群の男の困苦こそ極めて根深かろう。……彼らの触る権利を社会は保障すべきでないのか」
書き写すのも苦痛。痴漢は犯罪だ、犯罪が権利か。— 上丸洋一 (@jomaruyan) 2018年9月19日
『新潮45』問題がやるせないのは今の若杉編集長による右派オピニオン路線になっても部数が減り続けていること。かつてはノンフィクション路線の雑誌で取材費もかかったけど今のやり方なら取材費ゼロ。徹頭徹尾ビジネス的理由でしかもそれが奏功せず、論説の被害は拡大。要するに誰も幸せになってない。
— 津田大介 (@tsuda) 2018年9月19日
熟慮の末、新潮社の新刊については当面仕入れを見合わせる事にしました。『新潮45』について、出版部文芸を始め社内でも忸怩たる思いを抱えている人たちがいるのは承知していますし、当店が販売を止めても何のダメージにもなりませんが、そう決断する本屋がいくつかはあっても良いだろうと思います。
— 谷中・ひるねこBOOKS (@hirunekobooks) 2018年9月19日
まとめ
新潮社捨てたもんじゃないですね。
創業者佐藤義亮さんの理念が素晴らしいし、その理念に基づいて行動している新潮社出版部文芸さんの行動はあっぱれです。
頑張って欲しいものです。