市立尼崎高校で新たな不祥事が発覚しました。
今から2年前の2017年に当時1年生の水泳部員が他の部員にいじめられ退学に追い込まれるという事件が起きていました。
被害者の両親は学校側にいじめがあったことを伝え、対処するように お願いしましたが、報告を受けた学校側は『2年間何もせず放置』していたことが明らかになったのです。
市立尼崎高校といえば、2019年だけでも大きな問題が2件起きています。
バレー部と野球部でのコーチによる体罰という名の暴力です。
市立尼崎高校は兵庫県の高校ですが、兵庫県全体が隠蔽体質があるのではないかと疑ってしまうほど暴力事件が多発しています。
この記事では、市立尼崎高校で起きた水泳部でのいじめ、バレーボール部及び野球部でのコーチによる体罰の内容まとめるとともに、共通する部分について 述べてみたいと思います。
市立尼崎高校について
市立尼崎高校は、校名の通り尼崎市が運営する男女共学の公立高校です。
設立は1913年なので、学校創立から100年以上経過している伝統がある高校といえます。
市立尼崎高校は、公立高校ながら運動部が全国レベルで強いことも特徴です。
中でも、『硬式野球部』『男子バレーボール部』『(男女)バスケットボール部』『(男女)体操競技部』は全国大会の常連で、『硬式野球部』『男子バレーボール部』に至っては全国優勝を経験している全国レベルの強豪運動部と言えます。
プロ野球選手になったOBが7人もおり、現在東北楽天イーグルスで打撃コーチを勤める池山隆寛は現役時代野村克也監督のもとでブンブンマルの愛称で活躍しました。
こんな市立という公立高校でありながら全国レベルの部活動を複数もつ高校で、いじめや体罰事件が起きているのです。
そして、いずれも当初は「なかった」と隠蔽されていた特徴があります。
特にこれから詳細をお伝えしますが、バレーボール部と野球部での体罰については発生したのは共に昨年(2019年)でコーチによる体罰で、特に水泳部コーチの体罰は暴力事件に値するような暴力です。
立て続けに暴力事件が発生するのは、2017年に発生した当時1年生の水泳部員がいじめで退学に追い込まれた案件が2年間も放置されていたことからも学校及び市教委の体質ではないかとすら感じてしまいます。
次は、市立尼崎高校で発生したいじめ、暴力事件を発生した時期を時系列でまとめてみます。
2017年 水泳部の1年生部員がいじめで退学も学校は対応せず2年間放置
尼崎市立尼崎高校の水泳部で2017年、不登校となった当時高校1年の女子生徒の保護者がいじめ被害を訴えていたにもかかわらず、学校や同市教育委員会が調査を行わずに約2年間放置していた問題で、同市教委は18日、当時いじめの報告を受けていたにもかかわらず、詳細な調査を怠っていたことを明らかにした。市教委は「学校側や市教委の対応が当時どうだったか、詳細は今後調査したい」と述べるにとどめた。
市教委によると、生徒(既に退学)は1年時に不登校になり、精神疾患を患ったという。その時期に保護者らはいじめ防止対策推進法による「重大事態」として調査を求めたという。
当時、いじめの認知自体は学校から市教委へ報告されていたが、市教委が事態を把握したのは今月5日。同11日に「重大事態」に認定した。市教委としては2年余り、詳細な調査に乗り出していなかったという。
市教委の担当者は今月12日、面談した保護者と元生徒に対し「2年間つらい思いをさせたことについて申し訳ないと伝えた」という。学校から報告があった17年の時点で「重大事態」だった可能性があり、今後、第三者委員会で調査する。(大盛周平)
出典:神戸新聞NEXT
2017年に市立尼崎高校において当時1年生の水泳部員が「いじめを受けている」ということで、保護者が学校に調査してもらうようにお願いしていたということです。
しかし、市立尼崎高校は具体的な調査も行わず 放置していたため、この生徒は不登校になり、最終的には退学に追い込まれたとのことです。学校側は尼崎市の教育委員会にも報告していなかったとのこと。
ここで追い込まれたという表現を使ったのには理由があります。
実は、この事件は先月(2020年2月)に報道された下記のニュースが該当すると考えられます。
ひとつは、先の神戸新聞の最後に『学校から報告があった17年の時点』とありますので、今回の報道と時期が合致します。
しかし、被害生徒の学年といじめを受けた時期が異なるようです。
下記を御覧ください。
尼崎市立尼崎高校水泳部に所属する2年生の女子生徒が部員からいじめられるなどして、昨年12月から不登校になったと訴えていることが27日、関係者への取材で分かった。市教委はいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と認定し、調査を始めた。(大盛周平)
女子生徒の保護者によると、生徒は昨年夏から部内で同級生の女子から仲間はずれにされ、悪口を言われるようになった。昨年11月中旬、顧問1人や関わったとされる女子部員が同席して話し合ったが、女子生徒は男子部員に相談したことなどをとがめられ、「いじめはなかった」として謝罪を求められたという。
女子生徒はこの後、急性ストレス障害と診断された。保護者によると、受診内容を含めていじめの存在を顧問に繰り返し訴えたが、「今は我慢」などと応じられ、練習に参加できなくなった。女子生徒は12月中旬から不登校となり、心的外傷後ストレス障害の症状も出て退学する意向。
関係者によると、水泳部の顧問は昨年11月にいじめを把握していたとみられるが、保護者が市教委に直接訴えた12月下旬まで、学校から市教委には報告がなかったという。
同校では昨年、男子バレーボール部や硬式野球部で教員による体罰と報告の遅れが相次いで発覚。27日にあった同市議会文教委員会で市教委の幹部は「子供のSOSを素早く拾える学校づくりを1年間やってきたが、組織的な対応ができていない事実が明らかになれば再発防止に尽力しなければならない」と話した。
神戸新聞の取材に、女子生徒は「誤解を解いてほしかったけど、学校は何もしてくれなかった」と話し、父親は「昨年11月の時点で学校を辞めさせていればよかった」と話した。
出典:神戸新聞NEXT
ちょっと被害生徒の学年やいじめの時期が異なりますが、市立尼崎高校水泳部でのいじめ問題については新しく発生したものとして扱われていないので同一案件だと考えます。
2020年2月の報道では、1年生の水泳部員は2年生になっても水泳部員の間のいじめが続いていていたとのことです。そして、 保護者が学校に調査を求めるも放置されたことから不登校になったとのことです。
そして、退学したことに関係していると考えられるのが次のことです。
なんと、水泳部の顧問教員は加害生徒たちを交えて話し合いを行い、「いじめはなかった」と結論づけ、あろうことか加害者ではなく、被害生徒に謝罪を求めたとのこと。
被害生徒は話し合いの前には緊張などから過呼吸状態となる「心因性過換気症候群」の診断を受けていたことからも、話し合いの場でも極度の緊張で「心因性過換気症候群」状態だったと思われます。
そして、顧問と加害生徒を含めた話し合いのあとには急性ストレス障害の診断を受け、女子生徒と保護者が学校側に訴えるも放置されたことから退学に至ったとのことです。
市立尼崎高校としては、はじめから調査する気がなかったと考えられますね。
おそらく、被害を受けた女子生徒と保護者は何度も学校側に訴えかけているはずです。
学校側が知らなかったでは済まされないでしょう。
学校側が事なかれ主義ではどうしようもないですね。
これが、2017年から市立尼崎高校は隠蔽体質に陥っていたのでしょうか?
というのも、昨年(2019)年に市立尼崎高校の全国レベルの力を持つバレボール部と野球部で体罰事件が明らかになったのです。
2019年4月 バレー部コーチによる体罰という名の暴力
兵庫県尼崎市教育委員会は十五日、市立尼崎高男子バレーボール部でコーチの男性臨時講師(28)が体罰を加え、十回以上平手打ちされた三年生部員が鼓膜損傷などのけがをして二十~三十分意識を失っていたと発表した。九日には学校の報告を基に「けがはなかった」と発表しており、校内で隠蔽(いんぺい)があった可能性もあるとみて経緯を調べている。
市教委によると、体罰は四月二十九日にあり、今月七日に匿名の電話があって学校が事態を把握。その間に部員は左耳の鼓膜損傷や脳振とうなど二週間のけがと診断を受け、監督の男性教諭(51)に伝えた。
コーチと監督は桑本広志校長と教頭に体罰について説明したメモを提出したのに、市教委にはけがについての報告がなかった。校長は市教委に「メモには目を通していない」と説明している。
九日の発表後、外部から市教委に「けがの診断書がある」と指摘があり、学校が事実を認めたという。
桑本校長は取材に「誤った情報を市教委に報告してしまった。生徒に苦しい思いをさせてしまい申し訳ない」と話した。
市立尼崎高は昨年の全国高校総体(インターハイ)で初優勝した強豪。
出典:東京新聞
言い訳の出来ない体罰ですね。というか、傷害事件と言っても良い内容だと思います。
部活のコーチが3年生の生徒に鼓膜を損傷するような暴行(十数回平手打ちされた)を行ったというのですから。
更に、暴行を受けた生徒は脳震盪も起こしており、20分から30分ほど意識を失っていたとい言いますから大事のはずです。
しかし、このコーチは学校に報告していないようですから、命に関わるような状態だったらどう責任をとったのでしょうか?
この暴力事件が起きたのが2019年4月29日で、学校側がこの暴力事件を知ったのは2019年5月7日とのこと。しかも、匿名電話で知ることになったそうです。
そして、市立尼崎高校が隠蔽体質だと感じるのは、男子バレーボール部の監督とコーチは、コーチが行った暴力について説明したメモを校長に渡しているのにも関わらず、「メモの内容な見ていない」と説明してるそうです。
しかし、第三者からすると「見なかったことにした」と考えてしまいます。
なぜ、コーチは生徒に対して暴力を振るったのか気になりますが、尼崎市教育委員会の報告では次のように報告されています。
男子バレーボール部の練習中、A 君が 1 年生にプレーの指導をしていたところ、他の生徒がスパイクしたルーズボールがネット付近にまで転がってくるので、加害コーチが、ボールをきちんと拾うよう A 君に指示した。A 君は、後輩の指導に集中しており、ボールに気づかなかったことを主張し、加害コーチは、当該指示のやりとりの中で A 君が示した態度に腹を立て、右図のように移動しながら 10 回以上平手打ちをした。
その後、再度指導しようとした時 A 君は崩れ落ち、意識を失った。なおその間、加害コーチが A 君に向かって、「サイコパス」と言ったとの複数の証言がある。
出典:尼崎市
それにしても酷い内容ですね。
このコーチは生徒の意見に耳をかさずに、怒りで自分の意見を一方的押し付けた感じがします。
体罰事件が大きな問題になっている現在でも、カッとなって自分を抑えられない人物がコーチをやっている現状が悲しくなります。
この手の人は変わることが無いのではと思います。
2019年4月 野球部コーチが体罰行うも監督は体罰ない
兵庫県尼崎市教育委員会は18日、市立尼崎高の硬式野球部コーチを務める男性臨時講師(25)が、校外合宿で1年生部員に体罰を加えたとの情報が寄せられ、コーチも体罰を認めたと発表した。同校野球部は全国高校野球選手権大会に2度出場した強豪。
複数の学校関係者によると、4月に1年の生徒全員が参加する校外合宿があり、野球部の男子生徒が施設内での集会中にあくびをした。それを目にしたコーチが腹を立て、この部員を外に連れ出して顔などを数十回たたいたとされる。けがはなかったとみられる。
記者会見した桑本広志校長は「あってはならない人権侵害が起こっていた。被害に遭った生徒や保護者には申し訳なく、体罰を徹底的に根絶していく」と話した。
市教委によると、男子バレーボール部での体罰が明らかになった後、野球部などでもあったとする情報が6件寄せられており、調査を進める。
バレー部の体罰は4月下旬にあり、3年生部員がバレー部コーチに10回以上平手打ちされて20~30分意識を失い、鼓膜損傷など2週間のけがと診断された。〔共同〕
出典:日本経済新聞
入部して間もない4月に1年生部員があくびをしたというだけで、顔を数十回叩いたそうです。
怪我はなかったといわれていますが、本当ですか?
数十回叩かれたら、かなり腫れるなり、血が出ると思うのですが。
ちょっと都合よく言い過ぎのような気がします。
校長の言葉「体罰を徹底的に根絶していく」は、信じられないですね。
本当に体罰を根絶する気はあるのでしょうか?
兵庫県はいじめ体質?
兵庫県では、2019年神戸市で大きな問題が発生しました。
『教師による教師へのいじめ』です。
舞台は『神戸市立東須磨小学校』。
この事件でも現在の校長とともに、いじめがあった当時の元校長がキーマンとなっていました。
兵庫県では、2018年度のいじめ件数が2017年の1.29倍で過去最多だったと報告しています。
文部科学省の問題行動・不登校調査を受け、兵庫県教育委員会は17日、県内の公立小中高、特別支援学校における2018年度いじめ認知件数が過去最多の1万6680件に上り、17年度の1・29倍だったと発表した。全国的な傾向と同じく小学校での増加が目立ったほか、いじめにより心身に重大な被害が生じたり、不登校になったりする「重大事態」も12件(前年度14件)に上った。
出典:神戸新聞NEXT
兵庫県では「いじめや体罰撲滅」対策を掲げていますが、残念ながら実態は逆に向かっているようですね。
まとめ
市立尼崎高校でのいじめが隠蔽されていた案件を3件まとめてみました。
よく似ている案件ですね。
そして、全ての案件が他人からの通報などで事件が明らかになっています。
学校が率先して事件を調査して、市教委に報告し、生徒のケアをするという当たり前のことが出来ていません。
最終的に、一番大きな影響を受けるのは生徒です。
生徒の人生を狂わせていることに気づいて欲しいものです。