常位胎盤早期剥離による羊水塞栓症をかんたんに説明してみた【シュガーモーリ死因】

『常位胎盤早期剥離』『羊水塞栓症』をご存知でしょうか?

 

知らない方の方が多いと思いのでは・・・

 

実は、常位胎盤早期剥離が原因で羊水塞栓症を引き起こして亡くなったミュージシャンがいたのです。

 

今から39年前の1981年に活動を開始した『シュガー(Sugar)』のリーダーだった『モーリ』さんです。

 

 

本日の『爆報!THE フライデー』に元メンバーのクミさんが出演されて、モーリさんが亡くなった最後の1日について語るそうです。

 

 

モーリさんの死因となった『常位胎盤早期剥離』による『羊水塞栓症』とは何なのか、どのようなことなのかをかんたんに説明してみます。

まず最初に『羊水塞栓症』を説明したあと、なぜ『羊水塞栓症』になったのかという原因である『常位胎盤早期剥離』を説明します。

『羊水塞栓症』を簡単に説明すると

 

羊水塞栓症は「羊水」という言葉がある通り、妊婦さんのお腹の中でおこる病気です。

胎児はお母さんのお腹の中(羊水の中)で育ちますが、胎児はお母さんから胎盤を通して栄養を得て、胎児から出される老廃物や二酸化炭素をお母さんに送り返します

 

羊水塞栓症とは、羊水や胎児成分がお母さんの血液に流入することで肺動脈等の血管を塞ぐため、急激に血圧を下げたり、呼吸困難を引き起こします。

 

また、本来母体の血液にない成分が羊水によって母体の体内に流れ込むことで、アナフィラキシーショックの症状を引き起こすこともあります。

 

この症状は、陣痛が始まり、破水したあとに起こることが多いとのことで、このような状態になると、お母さんの死亡率が上昇(60%~80%)する怖い病気です。

 

では、羊水塞栓症を引き起こす原因となった『常位胎盤早期剥離』について見ていきたいと思います。

『常位胎盤早期剥離』をかんたんに説明すると

 

次は、羊水塞栓症を引き起こす原因となった『常位胎盤早期剥離』を見ていきます。

 

出典:https://medicalnote.jp/contents/160229-012-XP

 

 

『常位胎盤早期剥離』、漢字だけみると難しいですね。

 

胎盤は、お母さんと胎児をつなぐもので、お母さんのお腹(子宮)の中で胎盤を通じて胎児は栄養を取り込んだり、要らない老廃物などを排出します。

 

位置的には子宮上部にあり、胎児が出産するまで子宮に付着しているのが普通です。

 

しかし、胎児が出産する前に、子宮内にいる状態で胎盤が剥がれてしまうことを「常位胎盤早期剥離」と言います。

 

胎盤が子宮壁から剥がれることで出血するとともに、母体から胎児への栄養補給が出来ないばかりか、本来であれば胎児から母体に排出される老廃物等が母体の体内に流れ込んでしまいます

 

胎児から排出されるものには、胎児の髪の毛や皮膚細胞、便、脂などが含まれていますので、これらの老廃物が母体の静脈から体内に入り込み血栓を引き起こしてしまうのです。

ひと事で説明すれば

 

常位胎盤早期剥離による羊水塞栓症をひとことで説明すると、『子宮内にある胎盤が出産前に剥がれることで、胎児から排出される老廃物等が母体の血液に流れ込み、肺動脈を詰まらせるなどの血栓症を引き起こしたり、アナフィラキシーショックを引き起こし、最悪の場合は死亡する』となります。

 

『常位胎盤早期剥離』が起きる原因

 

シュガーのモーリさんの場合、常位胎盤早期剥離が原因で羊水塞栓症を引き起こしています。

常位胎盤早期剥離さえしなければ命を落とすことはなかったといえます。

では、常位胎盤早期剥離を招いた原因は何なのでしょうか?

残念なことに、はっきりとした原因についてはわからないとのことです。

しかし、統計上は次のような場合に発症確率は高くなるそうです。

  • 高齢出産
  • 妊娠中の高血圧
  • 絨毛膜羊膜炎
  • 前期破水

 

常位胎盤早期剥離はやっかいなことに自覚症状がないことも多いそうです。

まとめ

 

シュガー(Sugar)のリーダーモーリさんお死因となった『常位胎盤早期剥離による羊水塞栓症』をかんたんに説明してみました。

 

羊水塞栓症は産婦人科を舞台にした漫画「コウノドリ19巻」でも取り上げられている妊婦さんと胎児の命に関わる病でもあります。

 

出産が命がけとは言いますが、本当に命がかかっているのだと実感します。